Uncategorized 2024.03.27

今がチャンス!日本産米を海外に輸出するメリットと問題点

日本の米は世界でも高品質として知られていますが、その一方で日本の米の輸出量は比較的少ないという現状があります。

 

本記事では、日本産米が世界的に評価されている理由や、日本産米を海外に輸出するメリットや問題点、日本産米を輸出する際の注意点について解説します。

 

日本産米が世界的に評価されている理由

 

日本は、味がよく高品質な米を生産する国として世界的に評価されています。なぜ日本の米は味がよく高品質なのでしょうか。その理由を4つご紹介します。

 

まず1つ目の理由は、多くの品種があることです。日本では、より美味しいお米を生産するため、長年にわたって品種改良を行ってきました。その結果、主食用のお米やもち米、酒米など合わせて889品種もあり、そのうち主食用の米は285品種が登録されています。現在、寿司などの日本食が世界に広がったことを受け、海外輸出も視野に入れた品種改良も行われています。

 

2つ目は、厳格な品質管理を行っていることです。日本の農家は農薬や肥料の使用を最小限にし、手間をかけて米を栽培しています。米を収穫した後はゆっくりと乾燥させ、殻を取り除き、ふるいにかけて大きさを選別したり、形や色の悪い米などを光学技術で判別して取り除いています。精米後も、米粒の形や水分含有量、味など様々な項目がチェックされます。このように、日本の米は様々な過程を経て精選されているため、安全で高品質なのです。

 

3つ目は、気候条件が米作りに適していることです。稲の栽培に適している気温は最低温度17度以上、最高温度23度以上です。加えて、出穂時期である7月中旬〜9月中旬に昼夜の寒暖差が激しいと、お米の中にデンプンが蓄積されやすくなるため、美味しく育ちます。

 

4つ目は、日本の食文化です。米は、日本の主食であるがゆえに高い品質が求められます。この要求の高さが世界的な人気、特に寿司や和食の国際的な評価に繋がっています。

 

日本産米の輸出先国

味がよく高品質と世界的に評価されている日本産米ですが、どのような国・地域に輸出されているのでしょうか?

 

財務省の「貿易統計」によると、2023年に日本から米を最も多く輸出した国は香港で、輸出金額は約26億円ででした。次に約18億円でアメリカ、約12億円でシンガポール、約9億円で台湾と続いています。

日本からの米の輸出額が1位と2位の香港、シンガポールでは、もともと米を食べる習慣がある国です。それに加え、国民の所得水準が高く、比較的高価な日本産米の消費量も高い傾向にあります。また外食比率が高く、多量の米を消費するのも、これらの国の特徴です。

 

一方、アメリカでは、日系小売店での精米販売の需要が中心ですが、近年では日本食レストラン向けも徐々に増加しつつあります。知名度が高いコシヒカリやあきたこまちがよく売れる傾向にあります。アメリカは、もともと世界の主要な米の生産地ですが、2023年は夏の天候不順による米の不作や、生産コスト高によって、アメリカ産米の価格が高騰しました。そのため、アメリカ国内で円安傾向で値頃感のある日本産米の引き合いが強くなり、アメリカへの日本産米の輸出量が金額・数量ともに2倍以上に増加しています。

 

日本からの輸出額が4番目に多い台湾は香港やシンガポール同様、所得水準が高く、お米を食べる習慣があります。日本食・日本文化も浸透しており、現地でジャポニカ米を生産しています。台湾ではジャポニカ米を食べ慣れているが故に、日本産米の品質を評価する声も多く、年々日本からの米の輸出が増加しています。

 

 日本産米を海外に輸出するメリットと問題点

メリット

日本産米を海外に輸出することによって、販路を拡大し、今以上に日本産米の良さを認知してもらえるというメリットがあります。日本の年間一人当たりの米の消費量は、昭和37年以降減少を続けており、令和2年では50.7Kg(出典:農林水産省「食料需給表」)となっています。それに加えて、日本の人口は減少し続けており、2065年には8,808万人にまで減少すると予測されています(出典:内閣府「令和3年版高齢社会白書」)。このように、米の国内マーケットが縮小傾向にあるため、新たな海外需要を開拓していく必要があります。

 

世界では、アジアやアメリカを中心に、多くの国で米が食されています。また、昨今の日本食ブームによって、海外の日本食レストランが増加しており、日本食のマーケットは確実に世界で広がりつつあります。さらに、近年は日系レストランチェーンや小売店が海外進出しており、日本産米の海外需要も年々高まっています。日本産米を積極的に輸出することによって、より多くの人々に日本産米の良さを認知してもらうことができ、さらなる販路拡大につなげることができるはずです。

 

問題点

日本産米を輸出する際の問題点としては、価格競争が激しい点が挙げられます。世界には、アメリカやインドネシア、タイ、ベトナム、イタリアなど、米の競合国がたくさんあります。例えば、令和2年の日本産米は245円/kgですが、アメリカ産米は90円/kg、タイ産米は58円/kgと、日本よりも安価です(出典:農林水産省「コメの内外価格差」)。それに加えて、日本産米を海外に輸出する際には、輸送・流通コストが上乗せされるため、海外市場での販売価格はさらに高くなります。日本産米を海外に輸出していくためには、この価格差を納得させられるよう、日本産米の魅力を最大限に活かしたブランド力の強化を図ることが重要です。


日本産米を輸出する際の注意点

 

日本の米を海外に輸出する際、下記の3点に注意する必要があります。

 

1つ目は、品質管理です。日本産米には高い品質が期待されているため、輸出する際の米の品質管理はとても重要です。海外へ出荷する前には徹底した検査を行い、外部からの異物混入やダメージを防ぎ、品質の高さを維持しましょう。

 

2つ目は、農薬や添加物の規制です。輸出を検討する際は、輸出先の国や地域の農薬や残留物に関する規制、品種や精米度等に関連する基準を満たす必要があります。国によって異なる規制基準が設定されているため、輸出する場合はそれらの規制に適合するように努めましょう。

 

【主な規制】

・輸出手続き義務:食糧法に基づき、米を海外へ輸出する際は、事前に最寄りの農政局管内の窓口へ輸出数量の届出を行うことが義務付けられています。

 

・放射能検査証明と産地証明:東京電力福島第一原子力発電所の事故に関連して、放射能検査証明や産地証明が必要な国・地域があります。

 

・植物検疫:植物検疫上の理由で、日本からの輸出が禁止されていたり、条件が付される場合があります。

 

3つ目は、輸送方法です。日本の米の高品質を維持するためには、適切な包装を行い、適切に輸送する必要があります。米は傷つきやすく、湿気や温度の変化にも敏感です。そのため、ダメージを最小限に抑える努力が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

本記事でもお伝えしたとおり、日本産米は味がよく高品質であるため、世界的にも高く評価されています。一方、日本国内における米の消費量は年々減少し続けており、海外への販路拡大が必要です。ただし、日本産米を輸出する際は、品質管理や法規制、輸送方法について注意する必要があるため、日本産米を輸出することに不安がある場合は、専門家の手を借りることをおすすめします。

 

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FB GLOBAL MEDIA編集部

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